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口言ったでしょ!?」
……出た。カツカツと音を立てて僕の机の目の前まで歩いて来る、この世で一番煩くて面倒臭い女。世間では僕と彼女の関係を確か…幼馴染みとでも言うのだろう。
林道彩葉(りんどういろは)は、偉くも無いのに偉そうに僕の前に仁王立ちして、僕の顔を勢い良く指差した。
「いい加減にしなさいよね!!そんなに女の子の悪口ばかり言ってたら、あんた一生独身よ!?お爺ちゃんになっても一人ぼっちで誰にも看取られないで死ぬわよ!?」
「別に結構だ。それにこれは悪口じゃない。真実を述べたまでだ」
「それが悪口だって言うのよ!!」…そうなのか?
「ってゆうか、そんなに面倒臭いことが嫌いなら、死んじゃえばいいじゃない!!」
クラス中に、彩葉の高い声が響いた。クラスメートも、何事かと僕達の方を見る。騒がしかったその場所は、一気に静まり返った。
そこに丁度いいタイミングで担任が教室に入って来て、それぞれ自分の席に着席する。
僕は窓際の一番前の席にも関わらず、朝の睡眠時間を妨害された為、ちょっとだけ寝てしまうことにした。とゆうか、この担任は生徒が寝ていても、絶対に注意しない。まぁ、成績はそれなりの結果になるだろうが。
それに、僕には関係ないことだ。
僕は今日どうせ死ぬのだから。彩葉、お前に言われなくたって分かってるさ。
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