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この錬金鋼は鋼糸という極小の糸が重なりあって 出来ている。
以前、ある旅人に教わった技術だ。
しかし その人に教わったとはいえ、
基本しか教わっておらず 今の錬金鋼の
形になるまでは、自分で考えた。
汚染獣がこちらに気づいた。
(うまくいけよ…)
少年はそう思いながらその奇妙な錬金鋼を上段から下段へと斜めに振るった。
外力系衝剄の変化、閃断。
迫る衝剄に汚染獣は咆哮を上げ、こちらに向けて突進してきた。
少年はなんとか視線を反らさず、じっと汚染獣を見つめ、結果を待っていた。
シュッッ、ズュリュッ。
先ほど放った閃断が汚染獣の体を通り抜けた。
次の瞬間。
汚染獣の体が斜めにずれ、中の内臓やらなんやら、いい気はしないモノが見えてきたが、
「ふう…」
完全に汚染獣の体が切れたのを確認すると心配そうだった顔から安堵の表情がこぼれ少年はそう呟いた。
(終わりましたか?)
念威操者だ。
「あ、はい。そちらはどうでした?」
(こちらは、約30人の武芸者が総掛かりでなんとか、終わったというのに、貴方は……本当にあっけないですね。)
「はぁ…。すいません」
少年は何故自分が謝っているのか、
理由は分からないが、とりあえず謝ってみた 。
どうやら 少年が戦ってた以外の所で起きた戦闘も終わったようだ。
(別に、怒ってません。それより そんな所で無駄口を叩いて突っ立って無いで、早くケルニアに帰ってきなさい。)
謝ったせいで今度こそ本当に怒られた。
「う、分かりました。すいません。」
少年は苦笑いしながら、ランドローラーにまたがり、エンジンをかけ、少年はふと思った。
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