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はて、おかしいな。
季節とは、春夏秋冬を順に巡るものだとばかり思い込み、この十八年間という歳月を過ごしてきたのだが。
何故だろう。
俺は今、寒空の下、雪原に転がっている。
俺の記憶が定かなら…、寝落ちる直前の季節は紛う事無き夏だった。
真っ青な空に大きな入道雲。ジリジリと肌を焼くような攻撃をしてくる太陽。
寝て起きて季節が変わるのは異常だ。
ゲームじゃあるまいし。
さては夢か。
一度目を閉じても、背中から伝わってくるリアルな雪の冷たさに身震いする。
では、ドッキリ……を仕掛けるような友はいない。
いや、二名ほど馬鹿はいるが、そんな暇はないはず。
受験生なう、とふざけた口調と鬼気迫る顔面のコラボは非常に愉快であった。
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