第2話 冒険者を倒そう!

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 ゾルゲは髭をなで、マイクとエルメスに顔を向けた。 「俺らは近いうちにそのダンジョンに行ってみるが、お前らはどうする? 仕返ししてぇなら、一緒に来るか?」 「望むところれす~! あのサキュバスにぃ、目に物見せてやりましょ~!」  すっかり出来上がったエルメスがふにゃふにゃしながら、賛同する。マイクはため息を漏らしながら、頷いた。 「ご一緒させてください。俺たちだけじゃ、あのダンジョンはキツいですから」  ゾルゲはニカッと男気のある笑みを浮かべ、自分の酒を一気にあおいだ。 「じゃあ、お前らが全快したら出発すっか。骨折もあったし、3日後ぐらいだな。それまでは、ゆっくり休め。ここは俺が奢ってやらぁ。臨時パーティ結成の祝いだ!」  恐縮するマイクに対して「やった~!」と無邪気にはしゃぐエルメス。彼女は酔いが冷めたら、果てしない自己嫌悪と恥ずかしさに苛まれることだろう。 「おら! 乾杯すっぞ! ナキア、ヤー、お前らもジョッキ持てよ!」  ゾルゲに促され、ナキアとヤーは中身の減っていないジョッキを持って、掲げた。 「マイクにエルメスだったか。よろしく頼む」 「お2人ともよろしくっす。まぁ、気楽に頑張りましょうや」  生真面目なナキアと、軽いノリのヤー。 「駆け出しの若輩ですが、よろしくお願いします」 「よろしくです~!」  それにマイクとエルメスが合わせ、 「そんじゃあ、乾杯だぁ!」  ゾルゲのかけ声で5人のジョッキが音を立ててぶつかる。  剣士マイク、弓手エルメス、斧使いゾルゲ、魔法使いナキア、盗賊ヤー。ここに、偶然にもかなりバランスのとれた臨時パーティが結成された。  そこからはもう、お互いを良く知るためと銘打って、どんちゃん騒ぎに近い宴へと移っていった。  酒場での冒険者など、どんちゃん騒ぎが当たり前なのだ。  翌朝、エルメスが二日酔いと羞恥心で死体のようになっていたことは、言うまでもない。
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