第3話 森のダンジョンを完成させよう!

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 まさに気合い一喝。トロルたちは蛇に睨まれた蛙のように、瞬時に大人しくなってしまった。  ユウはゆっくりとゴッツの方を振り向き、ぎこちない口調で言う。 「お前は化け物か」 「ガハハ! そう褒めんといてくれや」 「いやいや、褒めてないから」  なんて軽口を叩きながらも、ゴッツという頼りになる存在に、ユウの顔はほころんだ。  ダンジョン作りは彼女の唯一の生き甲斐であり、最高のゲーム。駒が強いに越したことはない。 (この調子なら、ダンジョンコアがなくても本当に世界を掌握できるかもね。最大の障害である勇者も味方につけられたし。アハッ、楽しくなってきたねぇ)  この時のユウが邪悪なようで無邪気な笑顔を浮かべていることに、ゴッツは気づかなかった。  ユウはトロルの1匹にダンジョンまでの道筋を教え、地図を開いて次の場所へと移動を始める。 「さぁて、ガチムチ、次はウルフの巣だよ。ウルフは警戒心が強いから、脅しすぎないようにね」 「了解じゃあ。ときにユウの姉御。そのガチムチってのはどういう意味なんですかい?」 「……強い漢(おとこ)って意味だよん!」  筋肉が、とユウは言外に付け加えておく。 「おお! いいですな! 今度から儂ぁ、ガチムチのゴッツと名乗るぞ!」 「半端ない自己紹介だね」  ユウとゴッツは雑談をしながら森を進んでいった。  その日、森の中に住む魔物の約10分の1がフールのダンジョンの住民となった。  彼らにはゴッツの恐喝とユウの魅了を使って、フール、ユウ、グネ、ゴッツの4人には危害を加えられないようにしている。  これにより、ダンジョンの戦力は一気に強化されたのだった。
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