第3話 森のダンジョンを完成させよう!

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「トロルとゴブリンナイト部隊はダンジョンの拡張。ジャイアントワームとホブゴブリン部隊は迷宮の整備。グレムリンとシャーゴブリン部隊とウッドウィプスは魔法陣の彫印」  フールが命令を下すと、グネに率いられたこれらの魔物たちが行動を開始する。 「ポイズンスパイダーとポックルは迷宮内に罠を仕掛けろ。シャドウとマッドモンキーは侵入者対策に闇討ちができる場所を確保。ドラゴンフライはこいつらの仕事の監視と報告だ」  次に、ユウに連れられた魔物たちが、命令通りにダンジョン内を動き回り出した。 「ウルフとヘルハウンドはダンジョン周りの警備。オークは森からスピーウッドやマンドラゴラを運んできてやれ。グレイゴリラはダンジョン周りの伐採。キラーバードは上空から監視と、近隣の町の偵察。行け」  最後に、ゴッツに付き従う魔物たちがダンジョン外へと仕事に向かう。 「ふぅ、なんとか回り始めたな」  ようやく魔物たちの手配が終わり、一息つくフール。  今日1日で、かなりの量の魔物が増えた。急に住人が増え、ダンジョンが慌ただしくなったため、現在は急遽魔物たちを操って働かせているのだ。  本来ならダンジョン内の魔物は放任主義に任せるのが最も良いのだが、そこらかしこで魔物同士の食べ合いが始まったのだから、仕方がない。  皆が落ち着け、自然に近い環境を作るため、住民総出でダンジョンの整備にあたることにしたのであった。  なぜダンジョン作りに詳しいユウでなくフールが総指揮をしてるかと言えば、彼がマスターだからと言う他ない。  それに、フールは『使役』で魔物図鑑の知識を使いこなすことで、どの魔物をどこで働かせればいいのかが、手に取るように分かる。  よって、ここまで大規模に配下を動かすのなら、ユウよりもフールの方が適任なのだ。  そして、あえて誰も触れなかった理由だが、唯一の人間であるフールは魔物の言葉が分からないため、現場指揮など出来るはずもないのであった。
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