第二話

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「……ん…?」 「あぁ、起きた?」 帝斗をベッドに寝かせてから10分ぐらい経った。 キョロキョロと、体を起こして周りを見渡す帝斗。 「…スイ?」 「うん。ここ俺の部屋。」 「なんで顔赤いの?」 「……ちょっと黙ってくれる?」 「…ちょっと目赤くない?……泣いたの?」 「…喧嘩売ってんのか。言い値で買うぞ。」 なんでこうドストライクで嫌なところをつくんだよ。 帝斗はなんで俺が怒ったのか分からないようで「なんかごめん」って謝った。 …まぁ、今のは俺が悪かったな。 「…や、俺が悪かった。八つ当たりごめんな。現状わかる?」 「……俺、なんか急に体がなんか変な感じになって…どうしたらいいのか分からなくなってスイの所に来た。」 「うん。だね。」 「……で、倒れたんだよな。ごめん。」 「はいはい、気にしない。……今は平気?」 「うん大丈夫。」 「そっか。」 よかったと、心の中で胸を撫で下ろす。 俺を押し倒した所から意識無かったんだな。 悪霊は、陰陽師系の力を持つものに、より近づこうとする。 力を取ろうとするから。 だから俺を押し倒してきたんだろうけど。 覚えてないのは、気まずくならないから万々歳としておこう。 「じゃあ、いつ頃調子悪くなった?」 「確か、一人で部屋に行ったときから。」 つまり、一人になったらってことか。 「じゃあ、どんな感じになったんだ?症状は」 「えっと…なんかこう、胸が押し潰されそうな感じ…と、体がズシッと重くなったような、そんな感じ。 「……大体把握。ちょっと大人しくしてろよ?」 「?どうした?」 確認したいことがあり、帝斗の頬を軽く掴み、顔を近づける。 「な、なに?」 「すぐ終わるから動くなよ」 ピタリと、おでこを引っ付ける。 そして、目を閉じる。 ゆらゆらと頭に流れ込んでくる。 さっきまで帝斗に引っ付いてた気のほんの欠片と、ほんの微量の悪霊の気配。 「………そーいうこと」 「……。」 確信してゆっくりと、帝斗から離れる。 原因は、神子への過度の期待からの恨みとかプレッシャーみたいなもの。 つまり、神子に皆が頼りすぎてるってことだ。 分かりやすくいうと神様だ。 いいことがあれば神様に感謝する。 けれど、悪いことがあったら神様を恨んだり、憎かったりすることがある。 そんな感じだ。 それが気となり、神子である帝斗にのしかかったと。
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