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「で……でか……」
「………。」
目の前にドーンとたたずむ巨大な城を前にして、固まる帝斗と俺。
もうなんていうか……現実とは思えないほど馬鹿デカイ。
東京ドーム何個分とか言ってる場合じゃない、けた違いだ。
「二人とも、ここがシーラ大陸1の都、セイラーンの、セイラーン城だ」
「今から、王様に挨拶に………って、あの、聞いてます?」
「…あぁ、はい。大丈夫です、すいません。」
ここは異世界ここは異世界と自分に言い聞かせ、とりあえず正気を保つ。
隣の帝斗はまだぼーっとしているが。
「では、私達に着いてきて下さい」
イオさんはそう言うと、巨大な城の門の前に立っている兵士らしき人に、なにか合図をした。
それに、兵士は敬礼し大きく腕を挙げた。
「う、わっ!」
同時に、大きな地響きがして、地面が軽く揺れる。
それに驚いてバランスを崩して転けそうになる帝斗を、間一髪で助ける。
ゴゴゴゴゴゴと、大きな地鳴りと揺れがやむ頃には、巨大な門は開いていた。
「いっつも思うけど、この門そろそろ作り直して欲しいよな。」
「地鳴りと、地響きうざいですもんね」
その前に近所迷惑だろと、言ってやりたかったが自重した。
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