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「へ、へぇー……すごいね、スイ。」
「そうだな。」
四人家族とか余裕で住めそうだしな。
それを一人で住むとか贅沢すぎる。
俺も、色々と部屋を見てると、帝斗が唐突に言った。
「……あの、スイと一緒に住むとかは…」
「はい?」
思わず、声をあげてしまう。
振り向いて帝斗の方を訝しげに見ると、帝斗は「だって広すぎるし」と言った。
まぁ、確かにだがな…
「すいません、それは無理です。」
イオさんがきっぱりと答える。
うん、だろうな。
「例え、帝斗様の親友だとしても、客観的に見ると神子様とよく分からない得たいの知れない謎の人です。そんな方と神子様が一緒の部屋で住んでるとしたら、回りが許さないでしょう。」
イオさんがそう言うと、帝斗は何か言いかえそうと口を開いたが、なにも言わずに閉じた。
客観的に考えたら、そうだと気づいたのだろう。
帝斗は悔しそうにしてる。
イオさんも、カイラさんも気まずそうに目をそらした。
……空気が、重い。
………えーと…いや、あの、なんかすごい雰囲気が暗いけど本人全く気にしてないんすけど。
「あの、なんかすいません。」
なんだか、罪悪感がして思わず謝ってしまう。
「えーと…次行きませんか?」
「…あぁ、そうだな。」
俺がそう言うと、ぎこちないながらも皆も動き出した。
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