第二話

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「ふかふかー」 ボフンッとベットに飛び込んで寝転がる。 なにこのベット、ふかふかすぎる。 うつ伏せから仰向けになり、天井を見上げる。 シミ1つ無い真っ白な天井だ。 (なんか、優遇されすぎて罪悪感が…) あのあと、俺の部屋(ここ)とか風呂場とか食堂とか図書室とか…色々案内され『神子様達もお疲れでしょう』とのことで一時間の休憩を貰った。 ちなみにこの部屋はわりかし帝斗の部屋とは遠い。 帝斗は七階で、俺は三階。 まぁいわゆる客間というもの。 客間と言っても、ホテルみたいなところを想像してるなら違う。 お城なめんな。 キラキラしてる、めっちゃキラキラしてる。 帝斗の部屋には負けるが、宝石みたいな石がいたるところにある。 …あの棚とかあの置物とか。 今すぐ質屋に売ってやりたい。 ふと、窓を見るともう暗くなっていた。 まぁあの後お風呂とか食事とかあったし。 風呂場では大変だったが食事は美味しかった。 異世界なめないほうがいいな。 あぁそうだ。 よいしょっと体を起こし、ポーチを漁る。 ここは、あまり安全では無さそうだからと魔方陣のペンダントを取りだし、首に掛ける。 これはお守り。 ちゃんとご利益があることは証明済み。 悪霊や、悪い気から守ってくれるありがたーい品物だ。 一見、ただの銀色の魔方陣の書かれた安っぽいアクセサリーだが、甘く見ない方がいい。 陰陽師が直接気を入れ込んだ特製手作りお守りだから。 そこいらのペンダントと一緒にしない方がいい。 ピンっと指で弾いてみる。 俺はわりと気に入ってたりする。 ぶっちゃけ俺の手作りだしな。 後は、符のチェック。 何枚入ってるとか、どの効果の札が入ってるのかとかをしっかり見ないと後悔するはめになるから。 札は大事な武器だから。 *─*─*─ ちゃんと数えてから顔を上げる。 部屋に置いてあるキラキラとした時計を見て時間を確認する。 今、30分ぐらいか。 あとは、部屋に俺の陰陽師の気で守りの陣を書くだけ。 守りの陣というのは、悪霊や妖怪などを入らせないための安全装置…簡単に言うと魔方陣だな。 これをしないと、安心して眠れない。 さてさて、さっさと書いちゃいますかと、指に気を集中させたところで、体が震えた。 ………なんだ、この気配。
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