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一人になった時に来たってことは、一人になって、考えて…自分が神子だって自覚し始めたってことか。
……なんという…帝斗とばっちりじゃねーか。
…いや、神子になるからそうも言ってらんないのか。
複雑だな。
ふと、帝斗をみると顔を赤くして固まっていた。
「大丈夫?顔赤いけど。」
「……誰のせいだ誰の。」
?よくわからないから無視。
……神子になったってことだけでこんなに悪い気ばっかり来るってことは、そうとう、神子ってのは皆にとって大切な存在なんだな……
だって、少し自覚しただけでこんなに悪い気がくるってことは相当なことだ。
……帝斗、耐性無いしヤバイんじゃないか。
そう思うと、俺は首に掛けていたペンダントを外した。
「帝斗、手出して。」
「ん?うん。」
「ほら。あげる。」
「……これ、ペンダント?」
「そ、ペンダント。」
帝斗は電灯の光に照らしてペンダントを見てた。
「…綺麗だな。」
「だろ?結構俺も上手くできたって思ってる。」
「え、これ手作り?」
「そうだよ。だから大事に扱えよ。ご利益たっぷりだから。」
「ほんとにくれるの?」
「うん、いつも肌身離さず持っとけ。」
「……………そーする。」
嬉しそうに帝斗がペンダントをしたから、見てるこっちまで嬉しくなる。
気に入ってくれてよかった。
父親には「なんだこのヘンテコなペンダントは」って言われてガチギレしたからちょっと不安だった。
「どだ、似合う?」
「うん、イケメンはなにつけてもイケメンだな。」
「照れるしー。」
照れんなお世辞だアホ。
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