りあ☆でぃみ

高一の二学期より始まり

『うん、そんな気はしてたんだ…』

『…へ？』

今日の別れを決めた女は泣きもせず喚きもせず食い下がりもしない

潔よく別れ話しに応じた

『じゃあ私、友達を待たせてあるからじゃあね』

『ちょ…、待って！』

何故呼び止めた！俺っ！？

『？？？

　まだ何かあった？』

『あ…えっと…』

何か俺の方が尾を引いて引き止めちゃったみたいな空気になってんじゃん！！

いや、別れる気は全然あるよ？

むしろ別れるための逢瀬だろコレ？

『市橋君？』

いや、期待しないで…

俺、君とは別れるために呼び出したんだから

そんな羨望の眼差しを向けられると困るんだよね…

『いや…、さ…、

　告ってくれた時は結構積極的だったのに対して、別れる時は随分潔いんだなって思ってさ…

　そのギャップに若干驚いただけなんだけど…』

ははははは…

何言ってんだ、俺…

『友達がね、市橋君と付き合う際に色々アドバイスくれたの』

アドバイス？長く付き合うための？だよな？

『最初の一言はね、一ヶ月持たないと覚悟しておきなさいだった』

それアドバイスって言わなくねぇ！？

『そしたら本当にナツったら言い当てちゃったんだもん、ビックリしちゃった』

うん、確かに言い当てたそいつにも驚くけど

普通突然別れ話を言い渡された事にビックリしないか？

しかもこの女笑ってるし！

『じゃあ市橋君、短い間だったけどありがとうね、バイバイ』

そう言ってさっきまで彼女のうちの一人だった女は清々しい笑顔で手を振りながら駆けて行った…

って言うか

『ナツって誰だ…』

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