高一の二学期より始まり

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      『それで作業してた時に一緒に取り組んでた内輪に前川がいたってワケだったんだ?』     『お前エスパーか!』       エスパーなわけないだろ…     他クラスとの交流あった機会なんてそれ以外に思いつくことないだろ     改めてこいつはバカなのかと実感       『あ…そうだ、ゲンちゃん    お前って「ナツ」って呼ばれてる奴知ってる?』       『ナツ?    あぁ!前川さんと仲がいいメガネちゃんの事か?』       メガネちゃん?     っつー事は地味系な女か…       『何?お前が女を気にするなんて珍しもあるもんだな?』     『いや…、そう言う訳じゃないけど…』     ただ昨日別れた前川って女の口から出た人物の名前     それが何か気になっただけであって     っつーか他人様の交際期間を勝手に予想して、それを提言してしまうってどうなの?     どうせ根暗で人間観察が趣味な陰湿な性格なんだろうな…     『ほら、Cクラスのセミボブの髪型してて前髪に赤メッシュ入ってて毎日メガネのフレームが赤だったり紫だったり色々変わってる女の子だ!』       地味メガネじゃなかったらしい…     どうやら不思議ちゃん系のようだ…       『確か中浦の元カノだったぞ』     『中浦?あぁ…、同中だった中浦か』     中浦…、下の名前なんだったっけ?     同中から同じ高校に進学したものの科が違うから当然クラスも違うわけであって     ついで言うと元同中ってだけで友達ではないから下の名前は覚えてない     『で?何で女に興味を示さない陸が、そのナツって子が気になっちゃうわけ?』     『…一ヶ月持たないって言われたって前川が言ってたから』     『それって前川さんがナツって子に交際期間はあまり持たないって事を前もって言われてたって事?』     『まぁ、そう言う事だろうな…』     おかげで尾を引く事もなく潔く別れられたんだけどな…     『前川さん傷ついただろうに…、可愛そうだ…』     多分それ言われた時は傷ついたかもしれないけど、失恋の傷はさほど負ったようには見えなかったけどな       『ここで俺の出番だ!    俺がハートブレイク中の前川さんを優しく癒して、あわよくば彼氏に昇格!    っつーワケで行って来る!』     『行って来るって…、ちょ…、ゲンちゃん!    …って行っちまったし』         .
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