高一の二学期より始まり

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     ~五分後~     『おかえりゲンちゃん!    どうだった?』     教室を出て間もなく戻ってきたゲンちゃんはどんよりとした空気を纏っていた     これは聞くまでもない     勢いよく教室を出て行ったはいいもののCクラスの前でどう前川に声をかけていいものか悩みに悩んでウロウロしただけして戻って来たと思われる       『昨日の昨日お前に失恋した前川さんに何て言っていいかわからなくて帰還した…』       ほらな…       こいつは昔からヘタレの代表格なんだ       『そもそも何でお前なんだよっ!    何で前川さんを振ったりしたんだ!    その前に何で付き合ったんだよ!    つーか前川さんは何でお前に告ったりしたんだっ!』       『何で告ったかは俺に聞くなよ…    ってかお前言ってる事が支離滅裂だぞ』       『そもそもだ…    女ってみんな揃いも揃って顔だけがいい男に惹かれるんだよぅ…』       『顔だけって…    俺のよさは友達であるお前だけでも解ってくれてないと泣くぞ…』       外見しか見ない女どもに対して男同士の友情は絶対だと信じたい俺の心にも若干ヒビが入る音が聞こえた気がしたぞオイ…       『俺が女だったら俺みたいな奴より俺はゲンちゃんを選ぶけどな』     『陸…』       『陸が言うと慰められてる気がしない…    むしろ嫌味にすら聞こえるのは何故だろうか』     『俺お前と友達やめようか本気で今思ったわ』       .
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