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午前の授業も終了し、残すは午後の歴史とHRのみ
俺は今朝コンビニで買った昼飯を手に机を立ち上がると
『陸どこ行くんだ?』
『眠ぃから保健室』
ってのは嘘!
ずっと先輩からのメールをガン無視しているから
来る…
きっと来る!
あのしつこい先輩の事だからこの昼休みに絶対俺のとこに来るはずだ
だから保健室と言っておいて図書館へ避難
『次歴史だから頃合見て社会科準備室行けよ?』
『わかってるよ…』
社会科準備室は図書館の隣りにある
だからあえての図書館
ナゼ俺が次の授業の準備をするかって?
そんなの俺、歴史係だし…
うん、この学校のシステムは少し変わっている
最初に大まかな委員を決める際、全ての授業の前準備を学級委員に一任させるのは不公平らしく
各教科に前準備をさせるための係を決める
中学まではそんなの学級委員の仕事だったから正直かったるい…
でもまぁ、風紀委員だとか保健委員だとか先輩らと関わる仕事に就かないだけマシだと思うか…
『先生、次の授業の準備に来ました』
『あら、早いねぇ
まだ昼休みなのに』
『それで昼まだなので準備室で食ってもいいっすか?』
『かまわないわよ』
先生の了承を得たので準備室のソファに腰掛けコンビニの袋からパンを取り出して齧る
『確か1Aの市橋君だっけ?』
『はい』
『1Aは確か、前回どこまでやったっけ…?』
先生はファイルを開き前回までの授業の確認を始めた
そんな時だった
『ヨリちゃ~ん!』
準備室の扉が開くと同時に先生を下の名前で軽く呼ぶ女の声
『柳瀬さん、いらっしゃい』
『コレ!昨日言ってた例のマンガ』
『へぇ~持統天皇のお話しなのね、面白そう!』
その声の方をチラリと見ると
前髪に赤メッシュ…
ラメの入った黒縁メガネ…
コイツ、まさか!!
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