高一の二学期より始まり

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      昼飯が終わると先生と、おそらく「ナツ」と思われる人物は黙々とマンガを読み始めた       何とも言えない沈黙が社会科準備室を支配する…       ふと隣りに普通に座ってる女の傍らに置いてある本に目をやる       『すい………でん?』       『す・い・こ・で・ん!』       その女はマンガから目を放す事なくそう言った       へぇ…「すいこでん」って読むのか…       表紙をひっくり返して置いてある本はおそらく読み終えたものだとわかっていたので、読み終えた本を一冊手にとりパラリと見てみた…       正直、何が面白いのかが理解しがたい       ん?水滸伝って確か…       『弟がゲームでやってたやつの元の話しか?』       そんな俺の声は誰も反応する事なくただの独り言になった        いや、いいよ…、別に会話しようとは思ってないから       あまりにこの空間が暇なので俺は少し仮眠をとる事にした       どうせ次の授業は先生一緒だから起こしてくれるだろうから          .
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