手に入らない、色

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************************ 「こんばんは~」 和菓子屋『なごみ』の店主、峰さんに挨拶をする。まだ22歳だというのに自分のお店を持っているエリートだ。親の店を継いだとは言っていたが… 「こんばんは。杏ちゃん今日もよろしくね。」 「はい。」 お団子OK、大福もOK、羊羹は… カランカラン… 「いらっしゃいませ。」 わぁ… きれいな人… 店に入ってきたのはグレーのスーツを着こなしたいわゆるイケメン。 「あの和菓子で日持ちするものってありますか?…あの…」 「あ…はい、こちらの干菓子なんかどうでしょう?」 余りに綺麗な琥珀色の瞳だったから見とれてしまった… あの瞳の色絵の具でだせるかな… 「これにします。」 「はい、ありがとうございます。おのしはかけますか?」 「いいえ」 「かしこまりました」 箱に丁寧に詰めて包装する。
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