始まり

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「麗ちゃーん、お願いがあるんだけどもー」 「黙れ糞爺、乙女の部屋勝手に開けんな」  冬も中盤、寒さも増して勉強するには頭もさえて丁度いい季節になりました。私、城鐘 麗は今日も机に向かって勉強を頑張っています。 「麗ちゃーん、お願いだよー、弟子のみんな出払っててお願いできるの麗ちゃんしかいないんだよ」 「自分でやれ」 「麗ちゃんは馬鹿だなー、お父さんがここを離れたら結界を張る人がいなく……麗ちゃん、彫刻刀は人に向けて投げるものじゃないよ」  私の家は昔から陰陽師をやっています。山し…… じだっけかな? 山なんちゃらさんの法術を使う昔からの明家です。 「わかった! 3000円払うから!」  普段はお祓いなどをしてお金を稼いでいますが、それだけでは生計は立てられないのでお母さんが支援してくれています。別居中なので、月の初めにアタッシュケースいっぱいにお金を入れて会いに来てくれます。あっお母さんは弁護士です。 「じゃあ、4000円!」  お金の管理は家政婦の有田さんがしてくれています。糞爺にまかせると無駄なことに使うので月7000円のお小遣いしか渡しません。 「……5000円?」 「仕方ない、少ないけどそれで手を打ってやる」 「お父さん、来月2000円ですごさなきゃだめ?」 「着替えるから出てけよ」  戦闘衣装に着替え、手作りのお札と白紙の紙、筆を持って準備完了です。全部ウエストポーチに入れます。
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