1-1.平穏な生活

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「お~い、席につけよ~。HR始めるぞ~。」 なんとなく眠気を誘う様な口調で教室に入って来たのが俺たちのクラス担任であるー橘 都樹斗(タチバナ ツキト)-。 橘さん(橘先生って何となく言いにくいんだよな。)が教室に入ってきた為、立っていたクラスメイト達は急いで席に着き始める。 「今日も欠勤は~無しだな~。」 教室を一通り見渡した橘さんが出席簿を開きながら言う。 「特に連絡事項は無いから~授業の準備しとけよ~。 ・・・んぁ、そうだった。 東雲は昼休みに進路指導室な。」 橘さんはそれだけ言うとそそくさと教室を出て行く。 橘さんが出て行った為、教室にはHR前のざわめきが戻ってくる。 しかし和真の様子も相変わらずだし、俺は俺で先程出て行った橘さんの言葉で少し憂鬱になる。 どうもあの人、俺が進学しないんじゃないかって感付いてるみたいなんだよなぁ・・・ かと言って素直に進学も就職もしないなんて、考えてるなんて言えないし。 さて、どうしようか・・・ そのまま何事も無く授業が始まる。 今日は教室を移動する授業も無いし、ましてや体操着に着替えなきゃならない事も無い為席から動く事も無い。 今日はのんびり過ごせると思ってたのに、橘さんの言葉で台無しだ。 まぁ文句を言える立場じゃ無いし、ましてや進学に関して疑問を感じさせたのは俺の失態だし。 仕方無いっちゃぁ、仕方無いんだが。 ・・・でも何がいけなかったんだろうか。 一応は不振に思われないように進学するって言っておいた筈なんだが。 ただの感なら良いんだが・・・ 何かに気付かれてるとしたら面倒だ。 まぁ、どう足掻いたって俺の本質なんていうのは分からないんだろうけど。
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