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そんな事をつらつらと考えながら学校までの道のりを歩いていると、背後から見知った気配が近づいてくるのを感じて後ろを振り返る。
「零、おはよう!」
普通に話し掛けるには距離があるにも関わらず大声で声を掛けて来た人物を見ると、満面の笑みで大きく手を振りながら俺の元へと小走りで向かって来ている。
恥ずかしい奴・・・と思わなくも無いが、嬉しそうにやってくるのを見ると悪態は付けそうになかった。
「おはよう、和真。」
流石に俺まで大声で返事をするつもりは無かった為、和真こと俺の友人であるー御堂 和真(ミドウ カズマ)ーが俺の傍に来るの待ってから言葉を返す。
「いっつも不思議なんだけど、零って僕が声掛けるよりも先に気付くよね。」
少し走ったからか弾んだ息が整ってから、和真が不思議そうに首を傾けながら問い掛けてくる。
こんな仕種して似合う奴ってなかなか居ないよなぁ・・・なんて思いながら俺は和真を眺めてしまう。
「・・・零?」
疑問に答えず何も答えない俺に対して、不思議そうに和真は俺の名前を呼ぶ。
「ああ、ごめん。
んで、何だっけ?」
俺は心にも無い謝罪をして、もう一度質問が何だったかを問い掛ける。
「もう!ちゃんと僕の話聞いといてよね!
いっつも僕が声掛ける前に僕に気付くよねって言ってんの。」
漫画とかにありそうなプンプン!って擬音が付きそうな雰囲気で和真が少し怒った・・・と言うよりかは拗ねた感じで再度問い掛けてくる。
しかしその何気ない質問に対して、俺は少しビクッとしてしまう。
まぁ、表面には全く出さないが・・・
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