1-1.平穏な生活

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考えている間に返事を返さない俺に対して、和真が何かを思い立った様に詰め寄るのを止める。 「・・・?」 それに対して視線で疑問を投げ掛ける。 それに気付いたか気付かなかったのかはわからないが、和真が逆に俺に問い掛けてくる。 「まさか名前で呼ぶって約束、忘れてる訳じゃないよね?」 「・・・・・・」 全く思い出せなかった為に思わず何も言い返せなかった。 っていうか真剣に思い出そうとはしなかった、というのが本音だが・・・ 「何で~!先週金曜日に約束したじゃない!」 君島さんが拗ねたように声を張り上げた為、周りの視線が俺達三人に集まる。 いやいやいや、そんな事の為に大声出すなよ。と思った瞬間約束を思い出した。 「思い出した。 思い出したからあんまり騒がないでくれ。」 ただでさえお前等二人と一緒にいるってだけで目立つのに勘弁してくれ・・・と思う。 和真は容姿端麗で運動神経も抜群。その上俺達が通ってる高校はかなりの進学校にも関わらず、成績も常にトップクラスのかなりの実力者。 容姿は格好良い、というよりかは可愛い系になるがよくカッコ可愛いなんて言われているのを聞く。 成績に関しては、有名大学でさえ一発合格出来るんじゃないかとさえ言われている。 君島さん、もとい美桜に関しても和真に負けず劣らず容姿端麗で運動神経もそこそこ、こちらも成績はトップクラス。 しかも生徒会長なんてのもやってる位のしっかり者。 こちらは容姿は可愛いではなく、美人系で長く腰まである黒髪は綺麗で艶やかで枝毛なんてものとは縁がなさそうな程に綺麗なストレートだ。 俺の現状としては、前髪を結構な長さまで伸ばしており黒縁眼鏡を掛けている為、傍から見てあまり顔は見えないようにしている。 よく前が見えるのか聞かれるが、気配がわかる為に正直前が見えなくても関係無いし。 運動神経に関してもさほど出来る訳ではないし。 ただ勉強に関しては話は別だが・・・ まぁだからこそ悪口って程でも無いが、あだ名みたいな感じでがり勉君なんて呼ばれてたりする。 そんな俺がこんな二人とよく一緒にいるが為に、自分も目立ってるのが何とも言えず居た堪れない。
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