1-1.平穏な生活

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まぁそんな事情もあってあまり視線を集めたくないのが本音。 しかしながら定期的に二人して名前で呼べと言ってくる。 和真の事も初めのうちは苗字で呼んでたが、名前で呼べとしつこい位に言われて根負けした結果名前で呼ぶ事にした。 これに関してはかなり早い段階で諦めたが、美桜に関してはなかなか粘っていた。 しかしながら先週の金曜日、今まで以上の勢いでとうとう面倒になって呼ぶと約束させられたのを思い出した。 「じゃあ、これからはちゃんと名前で呼んでね。」 まるで語尾にハートが付きそうな感じで言われてとうとう観念する事にした。 正直にいうと名前を呼ぶのが、恥ずかしいとか嫌って訳じゃないし。 まぁ意固地になって呼ばなかった理由が無い訳でもないんだけど・・・ その理由になってる人物も呼べと言ってる事だし、これからは普通に呼ぼうと思う。 「はいはい。これからはちゃんと呼ぶよ。」 俺がそう言えば美桜は今まで以上に、綺麗な笑顔を浮かべて嬉しそうにする。 それを幸か不幸か目撃した人物は男女問わず、顔を真っ赤に染める。 それ程までに美桜は美人だ。 当然、間近で見ていた和真の顔も真っ赤で人間ここまで顔が赤くなるもんなんだなぁ、と思う。 俺自身は美桜を美人と思えどもそれだけな為に、皆の様に真っ赤になんかはならないが・・・ 「まぁ、俺等はもう教室いってるわ。 美桜は頑張って生徒会の仕事励めよ。」 俺はそう言って放心していた和真の腕を掴んで歩き出す。 「うん。じゃ又後で教室で。」 美桜は未だに嬉しそな笑顔で俺達に手を振ってから、仕事に戻って行く。 それを確認してから、放心状態の和真の頭をかなり軽く叩く。 「痛っ!」 大げさに頭を抱えた和真に「嘘付け!」と言いつつ自分でちゃんと歩けと促す。
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