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「そんなに元気なら、明日は出掛けようか。」 赤チンを全身に塗りたくられ、シミる痛さに身悶えしていてた雪は、黒木の提案に思わずコクリと頷いてしまっていた。 雪が頷くと、黒木は嬉しそうな顔でフワリと笑った。 ドクン………!! どう見ても、雪より年上そうな黒木。 その黒木が突然、子供のように無邪気な笑い方を見せたのに対し、何故か雪の心臓がドクンっと脈打った。 何故だろうか、この笑顔は、今まで黒木が見せたどの種類の笑い顔よりパンチが効いているように思う。 不思議な感覚を雪は覚えた。 「じゃあ、明日はデートだね。」 「はぁあぁぁっ!?タダの外出だらろ?何でそうなるんだ!」 「楽しみだなぁ。」 ニコニコと笑う黒木を目の前にすると、雪はため息をついた。 はぁぁ…。俺は、この笑顔に弱いかもしれない。 「わかった。外出はするけど、デートじゃないからな。もう寝るっ!」 もう夜も遅い。包帯も巻き終わり、眠くなった雪は、デカいベッドに寝転んだ。 さらふわのシーツとマットレスが気持ちの良いベッド。 今日は、久々にゆっくり眠れそうな気がする。 暖かい部屋と、布団に安堵し、雪は目を閉じた。 しかし、雪は大事な事を忘れていた。 特に、このベッドの持ち主が誰で、無駄に広い作りになっている。…と、いうことを。  
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