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夢見が悪い。まさか、こんな時に見たくはなかった夢。 また、眠ったらあの夢を見てしまうのだろうか。 追い掛けられて、傷つけられて…。 俺にとっての悪夢。眠るのが怖い。 そして、知り合って間もない他人の黒木冬矢に、夢を見た時に痴態を晒してしまうだろう事がイヤだ。 今回は魘されていただけ…。って言ってたから、大丈夫だったのかな? やっぱり、生きてるって…苦しいな…… 部屋は暖かいはずなのに、うすら寒さに身体が震える。 震える身体を抱きしめるように、雪は背中を丸めた。 暫く丸くなっていたが、いっこうに眠れないでいると、ふと、背中に暖かさを感じた。 黒木冬矢だ。 忘れていたわけではないのだが、ここは黒木冬矢の家で、今寝ているベッドは黒木のベッドなのだ。 黒木に拾われた側の雪としては、家の主である黒木に『お前はあっちで寝ろ』なんて言えるわけなどない。 こちらが床で寝てもいいのだが、身体中が痛いので仕方なく、大の大人の男が1つのベッドで寄り添いながら寝る羽目になってしまった。 背中から感じる暖かさは、雪を包み込むように後ろから抱きしめてきた。 …!!!!!!!? 「眠れないの?」 耳元で囁くように黒木が喋る。 「っ!!うるさい!触るなっ!!」 黒木冬矢の腕から逃れようと暴れてみたが、動けば動く程に抱き締められている腕に力が入る。 「こんなに震えてるのに?」
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