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……いいにおい。味噌汁かな…。 食べ物の匂いで目が覚めた。 「ここは天国か!?」 目が覚めた場所はベッドの上。しかも、超デカい。おまけに、見渡した部屋も超デカい上に、シンプルながらに豪華な作りをしていた。 デカいベッドの上をコロコロ転がってみる。 シーツもサラサラで弾力のある硬めのマットレスが、すげー気持ちいい。 死んだら、雲の上なイメージがあったけれど、本当はふかふかのベッドの上の間違いなんじゃないだろうか。 今度は飛び跳ねてみようかな。ぐっと体を起こそうとした途端、全身が悲鳴を上げた。 「っ…いってぇー!!」 「君は、馬鹿ですか。」 「へうっ!?」 痛む体を庇いながら見上げると、綺麗な顔の男の天使が食事を乗せたトレーを持って立っていた。 「だから、天使なら女の子がいいってば。」 「はあ?馬鹿な事ばかり言う。俺は人間だし、天使っていうのは君の方じゃないの?あんな高い場所から飛ぼうとしてたんだし。」 「はぁ?俺こそ人間だし!!あっ。でも死んだから幽霊?」 「死んでないってば。俺にあんなに必死にしがみついてきた癖に、覚えてないの?」 ニヤリと笑う顔がやや黒かった。こいつ、天使なんかじゃねぇ。 「お前…。悪魔か!!」 「………。」 無言の圧力感……お、鬼の形相。マジで怖いです。はい。 「…とりあえず、ご飯食べる?」 綺麗な顔の天使でも悪魔でもない人間の男は、トレーの上の食事を俺に差し出した。
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