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町は工場から出る煙に覆われ、白かった家や塀などは煤で汚れきっていた。
空気も汚れきっていて、周囲からは悪臭にも似た異臭が漂って霧も黒く汚れていた。
町の名はーー黒霧の町アイレーンー………。
その昔は朝霧花の町と呼ばれ皆にしたしまえていた町だ。
今では観光が居ないため旅人は目立つ存在だった。
その中でも群を抜いて目立っていた旅のグループが突然現れた。
一人はオレンジ色の髪の色をした、近寄りがたい不陰気をもつ少年。
一人は下から上までほとんどが黒い格好をしている、犬耳と犬の尻尾を生やした青年。
一人は可愛らしい女の子だか、正体は魔法によって動いている人形。
一人は金髪の男の子、その子の背中には身長からかは似つかわしくない大剣を一人で軽々と背をっている。
そんな目立つ旅人たちは道の真ん中で立ち止まり会話を始めた。
金髪の大剣を背をった男の子、レンは眉をひそめながらオレンジ色の髪の少年に話しかけた。
「何だ?!この町は!」
「黒霧の町アイレーンだ」
レンの質問に素直に答えたオレンジ色の髪の少年、和樹は辺りを注意深く観察していた。
「何で霧が黒いんだよ!」
とレンが質問をすると今度は人形の女の子、ミュリエルが答えてくれた。
「多分原因はあれね………」
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