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ミュリエルは工場から出る煙突を指差した。
「何であれが原因なんだ?」
と腕を組、顔を斜めに傾けたレンにミュリエルは一言「お馬鹿………」と言ってすたすたとレンより前に出て、ある程度進んだら立ち止まり三人の方を向いた。
「す、すいません…………」
レンは何故かミュリエルに謝ってしまった。
そんなレンを見てか、和樹はレンに分かりやすいように説明を始めた。
「煙突から出た煙が空気中の水分に付着してしまって黒くなっているんだ。
その証拠に変な臭いしないか?」
そう言われてクンクンと臭いを嗅いでみた。
「そう言われてみれば………」
その行動を見た全身真っ黒な犬耳の青年、ハティーはレンに一言忠告をした。
「あまり吸わないをお勧め………」
「え?何で」
レンは首を傾げながら質問をした。
その質問にハティーはどう言葉を繋げていいのか分からずあたふたと慌てていた。
その行動を見た和樹がハティーの代わりに質問に答えた。
「汚れていて身体に影響する可能性があるからだ」
「ま、マジで!?
さっきおもいっきり深呼吸しちゃった!」
慌てるレンを見てハティーは頭を撫でながら
「大丈夫、永住しなければ多分…………」そう言うとレンはホッと胸を撫で下ろした。
前方に立っていたミュリエルが待ちくたびれたのか
「まぁ~、こんな所で立ち話も嫌だし、宿屋に行きましょう」と言ってきた。
勿論反対するものもなく目立っていた旅人のグループは宿屋を目指した。
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