雪白風鈴

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暗い。 明かりは少し後ろを行く隊士が持っているものだけで、足元に気を使いながら歩かなければならない。 「(今はちょうど…丑の刻あたりかな。)」 上へ顔を向け、月を見る。 少し傾いた位置にあるため、丑の刻あたりであることが窺える。 「あー…寒い。」 「沖田隊長。隊務中くらいしっかりしてください。」 明かりをもった隊士に話しかけられる。 「そんなこと言ったって寒いものは寒いです。君たちだって寒くないなんてこと、ないでしょ。」 自分を抱きこむようにして二の腕をさする。 それにしても今日は寒い。 昼間はあんなにあったかいのに、どうしてこうも夜と昼とで温度差があるのだろう。 「まあ、寒いですけど…そういえば今日はやけに寒いですね。昨日原田隊長と一緒に巡察に出たときは、ここまで冷え込んでいなかったはずなんだけど…」 やけにしゃべる隊士だ。 今だにぶつぶつと一人でしゃべっている隊士を横目に、真っ暗な正面を向く。 「……あれ?」
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