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次に着いたのは、おしゃれなレンガ作りの家だった。
おしゃれなカーテンのかかった窓から中を覗き見る。
少し大きなベッドに、小さな少年と両親が川の字で眠っていた。
両親は、真ん中で眠る少年を守るように寄り添っていた。
「おやおや、仲良し家族だね」
おじさんはにっこり笑った。
「僕ン家だって負けないよ!父さんも母さんも、とっても仲良しなんだ!
父さんは優しくて力持ちで、世界一カッコイイんだ。母さんは美人で働きもので、時々怖くて。
二人とも僕のことが大好きなんだ!」
寄り添う家族が羨ましくて。
俺はつい、嘘をついた。
「そうかいそうかい。サクくんは幸せだのぉ」
「うん!」
優しく笑うおじさんに、頭を撫でられて。
うっかり涙が出そうになった。
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