序章【ウェンデルの涙】

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ハミィの緊張感は何時になく高まっていた。 それは今回のターゲット、【ウェンデルの涙】にあった。 トレジャーハンターを生業とする彼女が初めてお目に掛かる、古代の秘宝。 遠いおとぎ話として語り継がれてきたものが、そこに実在している。 それだけで彼女の心は躍りはしゃぐのである。 それがどんな代物で、どれだけの価値があるのか。 全てにおいて未知数、だからこそ彼女の想像力を最大限に?き立たせるのだ。 故に、気を張る。 (落ち着けハミィ。 冷静に、冷静に……) 好奇心に負けた時、それは彼女の中で死に対する。 冷静さを失い、判断を誤れば確実に命を落とす。 それ程までにトレジャーハントとは過酷で、危険極まりないのだ。
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