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……明るいぞ」
一瞬の暗闇を抜けた二人を待ち受けていたのは、光だった。
しかし、ここは水上。
遺跡の最深部まで進んだここが、陽の光に晒される事はあり得ないのだ。
故にレオルは、楕円形に広がる目前の広場に言い様のない禍々しさを感じた。
(こりゃあ、簡単にはズラかる事は出来なさそうだな)
ハミィが聞こえない様に、静かにため息を吐く。
「恐らくこれは……魔素ね。 それも珍しい発光する性質を持ってるみたい」
目を閉じるハミィが、その禍々しさの謎を解く。
普通、魔素は肉眼では見えない。
それは空気と同じように、そこにあって当たり前の存在だからだ。
故に発光するなどで環境に干渉する魔素は何らかの特殊な性質を含んでいる。
もちろん現代の魔素学がそこまで追求できているはずもなく、その実態は未だに闇の中だ。
「発光するだけの性質……気になるな」
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