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それに、もともと僕には頼みごとを断る勇気などない。小心者だから。後から恨まれたたまったものじゃない。
「いいですけど、どこまで送ったらいいんですか?」
「あの、クソマネージャーが捜索を止めるまでずっとよ。あいつは、少し私の有難みを知るべきだわ」
なにその要求、斬新。だいたい、どうやったら向こうが探すのを中止したかどうかわかるんだよ。あと、自転車の二人乗りはいけないんだぞ。
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「頑張れ、頑張れ、日本男子!」
おおざっぱすぎるだろ、その応援。
五分後、僕なりに回りくどく嫌だと意思表示をしてみたが、そんな意見を意に介さず、結局乗せることにした。
微妙に勾配する坂を、無我夢中で漕ぎ続ける。汗がさっきから目に入って、痛い。
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