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解答に不満があったのか、瞼に圧力が加わる。目玉がつぶれそうだ。
「有名どっかのアイドルとは何よ。それにね、このあたしをほったらかして、他の女に見とれるなんていい度胸じゃない」
有名とは言ってない。後、君ばかり見ていたら前向けなくて事故っちゃうだろ。あなたが運転してくれるなら別だけど。――うん、それはちょっと、恥ずかしい。
「とにもかくにも、早く地元民しから知らないような場所にアタシを連れて行きなさい」
おお、要望が楽になったような気がする。それならいい場所があるぞ。なんせ長年、一緒に遊ぶような友達がいなくて、よく一人で町探検していたからな。
「OK。ボス。うってつけの場所に送ってあげるよ」
一旦、ユキの事を記憶の端に無理矢理に追いやって、僕は再度ペダルを強く蹴った。
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