嫉妬

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今まで見たことのない光景に、数歩たじろいでしまう。ここは間違いなく誰も来ない空き教室のはずだ。三か月ずっと通っているんだ。間違える筈がない。 「……えーっと、誰ですか?」 「ただの伝書役だよ。今日はここに来ないそうだよ。彼女」 彼女とはユキの事だろう。それ以外にここに来る人はいないし。 「そうなんですか。理由とか聞いていますか?」 まあ、だいたい予想はついているけど。けど、まあ一応念のために聞いておく。 「さあ、そこまで聞いてない。けど、なんとなく君も分かっているんじゃないの?」 おお、見た目イケメンの優男かと思ったが、案外と鋭い男だ。 彼は言い終えると用事は済ませた為なのか、本を閉じて立ちあがる。そしてまた、こちらを一睨みしてくる。なんだろう? と思っていたら、 「君と、彼女は一体どういう関係なんだい?」 そんなことを聞いてきた。
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