嫉妬

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「別にいいよ。どうせ、講座に出ても先生に教えてもらうことなんてないからね」 「おお、そうなのか」 どう反応すればよいか分からず、大仰な態度を取って見せる。そうか、こいつも天才なのか。 イケメン君はさっき座っていた椅子に座り直すと、鞄から本を抜き取って先ほどと変わらない態勢に戻る。 「で、聞きたいことって何だい?」 こちらに一切の視線を向けずに訊ねてくる。確かに頭よさそうだけど、肝心なことがなっていない。相手の目を見て話すのは小学生でも知っているぞ。モラルだぞ、モラル。 「たいしたことじゃないんだけど、イケ、君はユキのことどう思っているのかなって?」 そんなことか、とでも言いたそうにイケメン君は鼻を鳴らす。 「俺の事は、獅子とでも呼んでくれ。代名詞じゃ呼びずらいだろ。彼女の事か。そうだな、ただ一人この学校で俺と模試のテストを張り合える生徒だったかな。最近は、何故だか勉学を疎かにしているようだが」 そういって、またこちらを睨んでくる。どうやら、僕の所為でユキの成績が悪くなっていると言いたいらしい。わざわざ遠まわしに言わんでも。
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