嫉妬

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鍵は閉める必要ないよな、と忘れ物がないかを確認して部屋を立ち去る。学校からチャリ置き場まで先生がいないか細心の注意を払ってダッシュする。 学校を出ると、真っ直ぐどこにも寄らず家へと帰路に着いた。 何か大切なことを忘れている気がする。なんだっけ? ま、すぐに出てこないくらいだ。重要な事じゃないんだろう。頭を横に振って、脳の片隅にある疑問を薙ぎ払う。 **** その下校途中に浮かんだ疑問が解決したのは、お風呂から上がった後の事だった。それまでの間、漫画を読んだり、小説を読んだり、ユキにどんな風に謝るかを考えていた。 親は毎度ながら家に帰って来ないのでもう慣れていたが、リビングにぽつんと一人ソファに座っているのは、あんまりだったので何気なくTVを点けた。その時偶然どこかで見たことのある女性が目に飛び込んだ。
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