嫉妬

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今更だけど、どこに行こうかしらん。アイドルを僕の家に招き入れるなんて滅相もないし、やっぱりマネージャーに来てもらうのが無難か。 「和束さん、マネージャーさん呼ばない? もう、こんな時間だし、きっと心配しているよ」 「いやだ。せっかくここまで逃げてきたのに楽しいこと何もしてない」 子供みたいに、首をぶんぶんと横に振る。それもそうなんだけどさ、と反論したくなる気持ちをグッと抑える。元はといえば僕の所為でもある。もっと早く彼女を迎えに来てあげられていれば、娯楽施設の一つでも連れて行ってあげられたかもしれないのだ。 「マネージャーさんに頼めば、きっとそれくらいの予定開けといてくれるよ」 「あいつは、そんな時間があればあたしに仕事をしてもらいたいのよ。どうせ、あたしなんか――金のなる木程度にしか思ってないのよ」 その言葉を聞いた瞬間、ああこの子もつらい思いをしているのだと感じた。だけど、慰めることは僕にはできない。
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