嫉妬

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そもそも芸能界というもの事態僕にはよくわからない。故に、そういう無責任なことは言いたくなかった。 だから和束にかける言葉など何一つない。きっと、立ち回りの上手い奴なら何かできるのかもしれないが、生憎僕はそこまで器量は持っていないのだ。 それに彼女は世間を知らなさすぎる。簡潔に言うと、甘い。それだからなのか、通常とは逆の言葉が口から洩れてしまう。 「和束さんを迎えに行くのを忘れていたのは悪かったと思っているけど、芸能界にいるならその辺は割り切らないと。もしそれで芸能界を降りたいとか思っているなら、すぐにやめた方がいい。芸能界のことはよく知らないけどさ、きっと引っ張りだこになっているうちが花だと思う。世の中には、もっとつらい経験をしている人がいるんだからさ、もうちょっと頑張ろうよ」
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