彼女は告白している。

3/6
84人が本棚に入れています
本棚に追加
/148ページ
 自分でもどう伝えてよいのか分からないが、あそこは僕の居場所ではないと、そう本能が告げていた。  空を仰いで、ご飯を一口運ぶ。保温の弁当箱に入っている訳ではないので、ご飯はかなり冷たい。  校舎側の方から幸せそうな声が聞こえてくる。察するに、いつものカップルなのだろう。  毎日昼食の時はここにいるので、振り向かなくても誰なのかは察しがついた。  どうしてあんなにも幸せそうなのだろうか?  やはり、恋をすると人は人生の見方が百八十度変わったりするのか。  また、僕はご飯を口に運ぶ。  こうして、いつものように毎日の昼食を浪費していくのだ。
/148ページ

最初のコメントを投稿しよう!