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自分でもどう伝えてよいのか分からないが、あそこは僕の居場所ではないと、そう本能が告げていた。
空を仰いで、ご飯を一口運ぶ。保温の弁当箱に入っている訳ではないので、ご飯はかなり冷たい。
校舎側の方から幸せそうな声が聞こえてくる。察するに、いつものカップルなのだろう。
毎日昼食の時はここにいるので、振り向かなくても誰なのかは察しがついた。
どうしてあんなにも幸せそうなのだろうか?
やはり、恋をすると人は人生の見方が百八十度変わったりするのか。
また、僕はご飯を口に運ぶ。
こうして、いつものように毎日の昼食を浪費していくのだ。
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