1.ふたり

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「そうか。それは災難だったな。明日からは私が作ってやろうか? ユウの弁当を」 「マジですか?」 「嘘に決まってるだろう。ハッハッハッハー」  心の底から期待していたが、あっさりと否定されて椅子に項垂れるようにして凭れる。  女子からの手料理なんてリア充ぽくっていいと思ったんだけどなぁ。世の中そんなに甘くはない、と言うことか。 「それよりも、ユウは何を読んでるんだ」  どの本を読書するか決まらなかったのか、興味津々に聞いてくる。 「恋愛ものだけど」 「ほぅ、ユウは恋愛ものも読むのか」  一般男子高校生が恋愛系の本を読むのは、そんなに興味深いものなのか。
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