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その返しに言いよどむが、最終的に僕は口にすることに決める。
「五十二点です」
申し訳ないといった体で、後頭部を掻く真似をする。彼女はそれに対して溜め息をつくと、首を左右に振った。
「冗談だろ」
「本当です」
無音が空き教室を包み込み、外部の声が侵入してくる。それくらい彼女にとって、平均五十二点というのは衝撃的なものだった。
その間に僕は、このまま補習の事を告げるべきだ、と口を開けて、即座に閉じる。
どうしても告白する勇気出ない。彼女に、自分が補習に呼ばれるダメな奴だと思われたくなかった。
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