リア充にあこがれて

２.以心伝心

　放課後、クーラーの効いた涼しい教室で補習プリントを解いていた。

　残っている生徒五人の内、一人が僕である。

　机に肘をつき、手で拳を作ると頬をのせる。その角度から窓越しに空を仰いだ。

　灰色の雲が陽光を阻み、今にも雨が降り出してきそうだ。外からは、ダンスの音楽が聞こえてくる。

　肘を宙に浮かすして、また机に置いてある問題とにらめっこする。……さっぱり解らない。

　空いた生徒の席に座っている先生の目を盗んで、補習仲間の様子を探る。

　結果、ペンが動いている者が一人だということが判明。後は、ペンを置いて勉強放棄していらっしゃる。