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曇天の下、足を引き摺るようにして前へと動かす。中学棟を横切る時に、空き教室に行こうかと頭に過ったが、ユキがいるわけないと思って止めた。
その速度を保ち、校門を出て右に曲がろうとして、足を止める。
見覚えのある生徒が、学校名が縦に書かれた表札に覆い被さるようにして、直立していたからだ。
容貌とは裏腹にどこか暗いオーラを放っている生徒。目だけをこちらに向け、接着剤でくっ付けられているような口がゆっくり動いた。
「こんな時間まで何していた?」
沈んだ声でユキが呟いた。
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