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腰に手を当てて、彼女の顔に少し赤みを帯びる。
「私がその程度でユウを嫌になる訳ないだろ。補習ごときでユウを見捨てるような関係だったら、最初から一緒にリア充しようなんて言わない。だから……」
「だから?」
その続きが知りたくて、オウム返しする。
下を向いてしまった彼女は、腰に据えていた手を下ろし、拳を作る。肩は僅かに震えていて、長い髪が彼女の表情を読めなくする。
「だから……だから、もう嘘をつくのは止めてくれ」
声が小さくて聞き取りにくかった筈なのに、僕の耳にすっと入ってきた。
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