2.以心伝心

12/31
前へ
/148ページ
次へ
 だって、僕には何もない。容姿が良い訳でもないし、頭が良い訳でもない。  それなのに彼女は、こんなにも僕と必死に接してくれる。  僕が彼女と居る理由は、勿論一緒にいてて楽しいから。彼女も同じ理由なのだろうか。だったら嬉しいけど。 「僕はさ。ユキと一緒に居ててすっごく楽しい。だから、その環境を守る為なら沢山嘘を付くと思う」  人間誰しも嘘を付く。例えそれが、自分の為ではないとしても。  だから、僕は彼女の為に嘘を付く。
/148ページ

最初のコメントを投稿しよう!

84人が本棚に入れています
本棚に追加