2.以心伝心

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 彼女の手元に注目してみる。まぁ、見なくても分かっていたことだが、やはり傘を持っていなかった。 「これ貸すよ」  傘の柄を差し出して、彼女が濡れないようにさす。代わりに僕が濡れるけど、そんなの関係ない。  僕にとっては、彼女が雨を浴びて風邪を引いてしまう方が困る。 「いい。それではユウが濡れてしまう」 「遠慮しないで。別にどうってことないから」  それでも「いらない」と彼女が傘を押し返すので、僕も負けじと押し返す。
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