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今まで僕は、彼女の家に行ったことがない。見たことすらもない。
それに何より現在の状態で、ユキの家に行くのは面映ゆい。
「どうした? 急に顔を赤くして」
彼女が僕を見上げて、更に柔らかい感触が二の腕に広がる。
横に逃げそうになるが、彼女がそれを許してくれない。ガッチリとホールドされている。
「大丈夫だよ。けど、ちょっと……」
「ちょっと……?」
投げ遣りな視線を、僕と彼女を隔てている傘の取っ手部分に送る。
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