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団地になると、門が自動で開くことなんて、まずないだろう。ちょっと良い家にだってそうない。
大体、門といっても高校生の背丈よりも小さいはずだ。寧ろ、門が付いていない家だってある。
だけど、彼女の家は違った。僕の身長は、百七十センチを越えている。しかし、目の前にはそれを大きく凌駕する鉄製の門が聳えていた。
そして、それを中心に白色の築地塀(ツイジヘイ)が広がっている。
〈お帰りなさいませ〉
門の右上から声がして顔を向けると、スピーカーらしきものが設置されている。
それに同調して、鉄門がゆっくりと開いた。
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