2.以心伝心

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 彼女も彼女である。さも当たり前のように僕と相合い傘して、家に堂々と入るなんて、犬養さんの反応も頷けてしまう。  更に『どうしたんだ?』と質問するなんて、火に油を注ぐようなものだ。  これではユキと僕が付き合ってるのを、肯定していると取られてしまうではないか。 「お、お嬢様。横に居られるお方は、誰でございましょうか?」  丁寧な物言いでユキに尋ねる。 「ユウだ」  さらりとユキが答える。僕は紹介を承けてしまったので一応お辞儀をしておく。
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