2.以心伝心

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 で、仲直りしたのは今日の事だ。  二人の話を傍観者気取りで聴いていたが、ユキって僕と喧嘩して落ち込んでいたのか。知らなかった。  そうか。彼女も僕の事をそこまで考えてくれていたのか。ちょっぴりハピネス。  だったら、彼女に助け船を出してあげないと可愛そうだ。さっきから、彼女もこちらをチラチラと見ている事だし。 「あの~、犬養さん。すみませんが、ユキに勉強を教えてもらう約束がありまして」  失礼かなとも思考したが、こうでもしないとこの環境は変わりそうもないので言い切った。
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